チップの先端
- 2016/12/03
- 17:36
このチップの先端が欠けてしまった時の修理の依頼って 意外とあるんです。
年間で20~30件くらいはあります。
ちょっと意識がそれてしまっていた時や 不慮のタイミングで弓先を引っ掛けてしまったり。
時にはご本人も気が付いていない間に どこかで欠いてしまっていることもあるみたいです。
ヴァイオリンの弓では たかが2~3mm程の大きさのこの部分。
無くても 音には関係はありませんが、
無ければ無いでも 前歯が無いみたいに やけに気になってしまう所でもあります。
それだけに 弓のヘッドの作りの中では印象の強い部分となっているのでしょう。
本来この部分は L字型のチップのプレートを貼りつけて 不要な部分を削り落として 一体になっている部分。
なので 後からここの先端部分だけを付け足すのは けっこう細かな作業となる訳です。
この様な構造上の条件により 先端の欠け方によっては 整形して接着をすることが難しい場合もあります。
また 先が欠けただけで済んでいれば良いのですが、
弓先を引っ掛けた時に 馬毛と一緒にチップ全体が外れてしまうこともありますので、
弓先には 十分に注意してください。
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